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TAKASHI BLOG

苦しい時期に知った仕事の“原理原則”こそが、成功のカギ

Written by Takashi Yamanaka

新潟に、熱狂的なファンを持つアウトドア製品の会社がある。

その社名はスノーピーク

個人的にも愛用しているキャンプ・ギア・ブランドなんですが、販売価格は安くはない。しかも安売りもしない。
なのに毎年売り上げを伸ばし、2014年12月には上場も果たした。その快進撃の秘密を探ってみたいと思います。

自分で開発した製品を”自腹で買いたい”と思うか?それが合格ライン

スノーピークの山井社長はこう語ります。

自分たちがユーザーとなってものづくりをする。これがスノーピークの原点です。こういう会社はほかにもあると思いますが、スノーピークが少し違うのは、それを「徹底して続けてきた」ということなんです。

社長を含め、社員の皆様は、かなりのキャンプ好き。社長は年に60泊ほどキャンプをしています。 新潟にあるスノーピークの本社ビルは、広さが5万坪程のキャンプ場の中にあるので、そこで寝泊まりをし、そのまま朝、会社へ出社するという社員さんもいるそうです。

そのオートキャンプ場はキャンプ用品の貸し出しもやっていますので、キャンプ初心者の方からキャンプになれたコアなユーザーの方までさまざまな方が利用されています。そのなかでテントを張って、打ち合わせや飲み会をすることも多い。実際にユーザーとして使いながら、ユーザーの立場になって製品の開発をしていくそうなんです。

しかも会議場所を自社の敷地にテントを張って会議する。この独自の方法が、新しいアイディアを生むそうです。なるほど。自社の製品の中でMTGをすることにより、メリットやデメリットが見えてくるという発想なんですね。

もう一つ特徴的なのが、スノーピークの製品は、企画立案から製造ラインに乗せるまでをひとりの開発担当者が一貫して担当すること。分業しないことによって、「開発者自らがどうしても欲しい製品」ができ上がります。

製品化の最終ジャッジは社長である社長である山井さんが行うそうですが、そのときに必ず開発者にする質問があります。

この製品、自分でお金を出して買いたいと思うか?」と聞くそうです。

そこで「いやあ、ちょっと…」なんて言いよどんでしまうものはダメ。お蔵入りです。開発者自ら「自分のお金を出しても絶対買いたい」と思うようなもの。それがスノーピーク製品の合格ラインだそうです。

山井社長も実際に自社製品をたくさん買っています。これまでに購入した金額を合わせると1000万円は超えているらしいです。
そのくらい自分が欲しいと思える製品を作っているから、自信と責任を持ってお客様に勧めることができるそうです。自分が欲しいと思うものを売ることは、仕事の意欲にもつながるとの事。

いい物を作って、よさをユーザーに伝えることができれば必ず売れる

「自分たちがユーザーとなって、欲しい製品をつくる」という考え方は、先代社長であった父から受け継がれたものです。スノーピークはもともとヤマコウといって、ロッククライミングが好きな父が興した会社です。父は当時の登山用品に不満を持ち、オリジナルの登山用品を開発して売っていました。

ただ、山井社長の親父さんは山登りをさせてくれなかったそうです。

「お前みたいなおっちょこちょいが山登りをすると大変なことになる」と(笑)。ですから山井社長は、小さいころから平地でキャンプばかりしていました。

キャンプ好きは大人になってからも続いたそうですが、世間で売られているテントにずっと不満を持っていたそうです。

当時のテントは価格こそ1万円前後と安価なのですが、雨漏りもひどいし、風が吹くとすぐ潰れてしまう。そこで86年に親父さんの会社に入社してすぐ、自分が欲しいと思えるテントの開発を始められました。

「年間50回使用しても5年間ぐらいは十分に使える丈夫なもの」を目標に、当時のテクノロジーで最高の素材を使用。

撥水加工もきちんと施する。そしたら原価が跳ね上がる。

販売価格は16万8000円になったそうです。笑
それでも100個売れた経験があったようです。

そのときに「いい物を作って、その製品の優れている点をきちんとユーザーに伝えることができれば、必ず売れる」と確信。そこから、ハイエンドなアウトドア用品を提供する現在のビジネスモデルが生まれた背景があります。

まとめ

個人的にも愛用しているギアブランドなだけに、開発背景に根ざしたエピソードは本当に興味が湧くことばかりです。

ちょっと趣味が偏った感のある本日の記事ですが、僕らデザインというジャンルのサービス業でも、飲食でも建築業でも、美容業でも「この製品(サービス)、自分でお金を出して買いたいと思うか?」という事。

これが僕は商売の本質の様に感じています。

世のため人のため。と、明る未来を創り出す人はいつもその熱意があります。去年そんな記事を書いたのを思い出しました。

 

「才能ではなく、熱意こそがハシゴをつくる」

 

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