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TAKASHI BLOG

40年の時を経てスクリーンで蘇ったTHE BADラスト・ワルツ

Written by Takashi Yamanaka

その映画は冒頭で

「大音量で上映すること」

と映画館へ向けてのメッセージからスタートする。

THE BAND

それは、もっともアメリカを歌ったバンド。このBLOGでも幾度となく紹介してきた、おそらく最も好きなバンド。

“おそらく”と言うのは本当に甲乙付けがたいバンドやミュージシャンはジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトン、ビートルズ、キンクスなど山ほどいる。

だけども、やっぱり僕にとってTHE BANDは特別。

世界を変えたレコード展

去年、グランフロント大阪で行われた「世界を変えたレコード展」と時に書いたこの記事でも、やっぱりナンバーワンに選んでます。

THE LAST WALTZ

この映画はザ・バンドの最終章であり、巨匠マーティン・スコセッシの手によるロック史に残る映像作品としても語り継がれている『THE LAST WALTZ/ラスト・ワルツ』が、日比谷のある映画館で初めて公開されたのは、1978年7月のこと。

そして2018年、40年の時を経て、『ラスト・ワルツ』が、大音量リマスター映像で見られるというので早速行ってきた。

早めに予約取れたのでなんと座席は最前列!!

DVDで幾度となく観たこの映画も、冒頭のメッセージ通り、スクリーンで大音量で体感できた。

40年の時を経てスクリーンで蘇った名作

本作は、ザ・バンドの解散ライブの模様を収めたドキュメンタリー映画。

ザ・バンドがバックバンドを務めたボブ・ディランをはじめ、エリック・クラプトン、ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェル、ヴァン・モリソン、ドクター・ジョン、マディ・ウォーターズら、親交のあった音楽界の大物が次々にゲストとして登場し、ザ・バンドと共演を果たした、1976年11月25日、当時ヒッピーの聖地だったサンフランシスコのウィンターランドで行われた伝説のライブの模様が映し出される。

今年の四月に亡くなってしまったザ・ステイプル・シンガーズのイヴォンヌ・ステイプルズも登場するんだけど、さすがに感極まるものがあり、決して泣ける映画ではないのだけど

THE BANDを代表する 名曲 The Weightのシーンでは不覚にも泣いてしまった。

もう何百回と聴いているはずのこの名曲もやっぱり、映画館で大音量で体感できた瞬間は僕にとって宝物だった。

劇場は座席を1/3を埋める客数で、決して「満員御礼」とはいかないものの、そこにはあの時代を共に生きた”本当に好きな人”だけが集まっていた。もちろんここでも僕は最年少だったけど(笑)

各々に思い入れのある、曲が流れて終わると映画を見に来ているお客さんが、まるでそのLIVEを観ているかのように拍手を贈る。

そんな映画、後にも先にもきっと無いだろう。

あんな体験が初めてだった。

人生を変えたTHE BAND

ディランもクラプトンもニール・ヤングもゴールデンエイジだったあの時代。

クラプトンに至っては、THE BANDのデビューアルバム「ミュージック·フロム·ビッグ·ピンク」を聴いて「人生が変わるほどの衝撃」を受け、自分がやってきた音楽は何だったんだというショックの中で、クリームの解散を決意した。

ブルース一筋でやってきたクラプトンにとっては、アメリカ南部のルーツ・ミュージックに根ざした彼らの音楽を聴いておそろらく、相当な衝撃を受けたのだろう。

俺達のアメリカ音楽を演った

劇中でキーボードのリチャード・マニュエルが「マシュマロのコートやチョコレートの地下鉄のサイケデリアな時代だった 覚えてるだろ?」と当時のアメリカ、サンフランシスコのヒッピーを揶揄するシーンがある。

その裏側には「俺達は時代に翻弄されることなく、俺達のアメリカ音楽を演った」というメッセージが込められていると思う。

今思い返すと69年のウッドストック・フェスティバルに出演していたにもかかわらず、決して周りの「フラワームーブメント」に染まらず、自身のスタイルを貫き通した数少ないバンドだろう。

やっと観れたよスクリーンで。

この映画を語る上で、僕にとって忘れられない人がいる。

それは東京にいる時に、ベンチャーズ関連のLIVEで会ってから、仲良く音楽談議をしょっちゅうさせてもらった元テレビCM監督の屋宜博さん。

今思い返すと凄いことなんだけど、ベンチャーズ初来日は弟を連れて見に行ったとおっしゃっていた。
このラストワルツも当時、リアルタイムで劇場で観られておられる。

作品集の中には不二家、カルピスなど数多くの作品を残しておられる。
そして後から聞いた話では、あの僕の大好きな「大滝詠一」のアルバムにも作詞をしていた(わざわざ言わないのが本当、屋宜さんらしい)

お酒と映画と音楽が本当に大好きで、「自由」という言葉の代名詞の様な人間だった。

今、思い返すとよく一緒にギター弾いて歌って楽しく時を過ごした。

今は亡き屋宜さん。夢叶いました。

知り合ってから、「僕 THE BANDのラスト・ワルツが好きなんです」っていうと、「貴司君、若いのにいい映画知ってるね」って言ってもらって、DVDをもってたから映像を流すと、とても懐かしそうに色々語ってもらったのを今でもはっきりと覚えてる。

僕が24歳の時に初めてこの映画をDVDで観て、ドクター・ジョンや、ジョニ・ミッチェル、ヴァン・モリソンなんていうミュージシャンのことを知ったのもこの映画。

あなたは、いつもそうやって僕に音楽のルーツを教えてくれましたね。

「遅くなりました。やっと見に来れたよ。」

僕は心の奥底でそう自分に言ってみせた。

僕にとってTHE BANDのTHE LAST WALTZは、いつしか彼と交わした「約束の映画」なのだ。

同じスクリーンで会えたね。屋宜さん。

 

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