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TAKASHI BLOG

Like A Rolling Stone

Written by Takashi Yamanaka

「どんな気持ちだ?」

強烈なサビの部分に秘められたメッセージ。

2016年12月にノーベル文学賞を受賞したボブ・ディラン。今日は僕の中で代表曲だと思っているLike A Rolling Stoneの歌詞を紐解いていきたい。

マーク・トウェインが書いた小説ハックルベリー・フィンの冒険が黒人奴隷制度が色濃く残っていた南北戦争以前のアメリカ文学の源流というならば、ボブ・ディランのLike A Rolling Stoneはアメリカが直面してきた危機。つまり、ウォール街大暴落やブラックマンデー、ITバブル崩壊、リーマンショックなどでこれまでの資本主義に酔った金持ちに対するアンチテーゼが込められた一曲だと思っている。

YOUTUBE等でもたくさんアップされていますが、オリジナルがやっぱり一番。

 

※一部、翻訳通りでなくディランの言いたかった言葉を日本人が見てもわかりやすいように訳しています。

Like A Rolling Stone

Once upon a time you dressed so fine
You threw the bums a dime in your prime, didn’t you ?
People’d call, say, “Beware doll, you’re bound to fall.”
You thought they were all kiddin’ you
You used to laugh about
Everybody that was hangin’ out
Now you don’t talk so loud
Now you don’t seem so proud
About having to be scrounging for your next meal.

昔のあんたは着飾ってたよな
浮浪者に小銭を投げつけたりしてさ
人々は注意したんだ「気をつけなお嬢さん、今に落ちるぞ」って
でもあんたは冗談くらいに思ってたんだろう
笑ってたもんな
周りの人たちを
でも今じゃ大きな声で話せない
誇らしくないんだろうな
次の食事にありつくことを考えなんていけないなんて

How does it feel?
How does it feel
To be without a home
Like a complete unknown
Like a rolling stone ?

どんな気持ちだ?
どうゆう気分だ?
家もなくて
誰にも知られず
転がる石のように生きるっていうのは

You’ve gone to the finest school all right, Miss Lonely
But you know you only used to get juiced in it
And nobody’s ever taught you how to live out on the street
And now you’re gonna have to get used to it
You said you’d never compromise
With the mystery tramp, but now you realize
He’s not selling any alibis
As you stare into the vacuum of his eyes
And say do you want to make a deal?

一流の学校に行ってたんだろう、ミスロンリー
でもそこに酔ってただけだってわかってたはずさ
誰も宿なしで生きていく術を教えてくれなかった
でも今あんたはそれを学ばなくちゃならない
あんたは言ってたな娼婦になんてならないって
だけど今になって気付いてるんじゃないか
男が言い訳にもなりゃしないってことにさ
吸い付かれるように男の目を見つめてこう言うんだ
「あたしといいことしない?」って

How does it feel?
How does it feel
To be on your own
With no direction home
A complete unknown
Like a rolling stone ?

どんな気持ちだ?
どうゆう気分だ?
1人で
家に帰る道もなくて
誰にも知られず
転がる石のように生きるっていうのは

You never turned around to see the frowns on the jugglers and the clowns
When they all come down and did tricks for you
You never understood that it ain’t no good
You shouldn’t let other people get your kicks for you
You used to ride on the chrome horse with your diplomat
Who carried on his shoulder a Siamese cat
Ain’t it hard when you discover that
He really wasn’t where it’s at
After he took from you everything he could steal.

あんたはジャグラーやピエロたちのしかめっ面を気にかけることもなかったよな
彼らがどれだけ気を引こうとしてもさ
そんなことはよくないって理解できないんだろう
誰かを怒らせるようなやり方すべきじゃなかった
あんたは外交官と高い車に乗ってたもんな
シャムネコを肩に乗せてる変な奴
つらかっただろう
彼は本当はそこにいなかったと知ったときは
すでに彼はあんたから全てのものを盗んだあとだったもんな

How does it feel?
How does it feel
To be on your own
With no direction home
Like a complete unknown
Like a rolling stone ?

どんな気持ちだ?
どうゆう気分だ?
1人で
家に帰る道もなくて
誰にも知られず
転がる石のように生きるっていうのは

Princess on the steeple and all the pretty people
They’re all drinkin’, thinkin’ that they got it made
Exchanging all precious gifts
But you’d better take your diamond ring, you’d better pawn it babe
You used to be so amused
At Napoleon in rags and the language that he used
Go to him now, he calls you, you can’t refuse
When you ain’t got nothing, you got nothing to lose
You’re invisible now, you got no secrets to conceal.

お城の中のプリンセスと美男美女は
酒を飲み、自分が成功者だと思い
ギフトを交換してる
でもあんたはそのダイヤモンドの指輪を外してさ、質屋に入れろよ
楽しんだんだろ
見せかけのナポレオンと一緒にいてさ、あいつの使う言葉に
あいつの元へ戻れよ、呼んでるさ、断れないだろう
何もないんだから、失うものもないさ
見えないんだから、隠す必要もないさ

How does it feel
How does it feel
To be on your own
With no direction home
Like a complete unknown
Like a rolling stone ?

どんな気持ちだ?
どうゆう気分だ?
1人で
家に帰る道もなくて
誰にも知られず
転がる石のように生きるっていうのは

考えさせられた歌詞

ディランの中でも一番好きなというか、一番考えさせられた曲。一聴するとアメリカ大恐慌の後にぬくぬくと育った一見「お嬢様風」の一人の女性を痛烈に皮肉ったこの曲。
ただこれをストレートに訳してもディランの“意”とするところではないのが彼の魅力。もっとより深い「何か」を示唆するというか。

前半部分は浮浪者に小銭をくれてやり、その光景を嘲笑っていた一人の人間が転落していくサマを書いていますが…
一転、後半部分の

When you ain’t got nothing, you got nothing to lose
You’re invisible now, you got no secrets to conceal.

何もないんだから、失うものもないさ
見えないんだから、隠す必要もないさ

捉え方によっては、とても考えさせられる一文です。

資格やお金、地位や名誉など人を大きく飾るもは数あれど、裸になったところに結局その人がいる。何もないんだから、失うものもない。=リスクなんてはじめから本当は無い。だから坊主、恐れる事はない!行け!!
そんなメーセージを僕は感じます。

よくディランファンの間では自分と歳と同じ歳にリリースしたアルバムを聴け。なんて言われます。自分もずっと聴いたけど、振り返るとこのLike A Rolling Stoneが入っているアルバム「追憶のハイウェイ61」を出した時、なんとディランは24歳で書いているというからシビれます。

もうギターをなかなか持ってステージに立たなくなってしまったらしいのがとても残念ですが、死ぬまでに一度は見ておきたいアーティストの一人です。

 

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